英単語の暗記とエビングハウスの忘却曲線

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さて、久しぶりのブログ記事となりますが、今回は暗記における忘却曲線について。
(久しぶりの記事にも関わらず堅い内容です)

wikipediaによると、忘却曲線とは以下のような記憶の性質のことを言います。

忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)とは、記憶の中でも特に中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線。
特に心理学者のヘルマン・エビングハウスによるものが有名である。

忘却曲線 - Wikipediaから引用



エビングハウスという心理学者が行った実験が有名ですが、
要は、時間がたつにつれて記憶が薄れていくという、
その程度を表したグラフのことを忘却曲線といいます。

忘却曲線

今回は忘却曲線と語彙学習の関連性についてです。

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語彙学習の目安と目標


幼児期を過ぎた普通の日本人が英語を学習しようと思い立ってから、
実際にある程度、英語が使いこなせるようになるまでには
さまざまなことを覚える必要がありますが、
その中で語彙学習(英単語の記憶)は非常に大きな位置を占めると思います。

これは私の感覚的なものですが、日本人が日本語を使うのに近い感覚で
英語を使いこなそうと思うと、英検一級レベル(10,000〜15,000語レベル)の語彙は必要だと思います。

英検一級レベルというのは英語圏の小学校高学年くらいのレベルだそうです。
実際には英検一級は固い内容が多くジャンルに偏りがあるため、
総合的な語彙数では英語圏の小学校高学年のほうが上かも知れません。。


しかもなぞなぞのようにあれこれ考えて答えを出せるのでは実際には使えませんので、
このレベルの語彙を聞いた、あるいは見た瞬間に意味を把握できる、
理想を言えばいつでも口から出てくるレベルにしなければなりません。

つまり、英単語にしぼってお話しても、最終的には膨大な量の記憶が必要になる、ということです。


英単語の記憶力


私の本職はプログラマーなのですが、仕事の関係で今までに
東大や京大等の有名大学の出身者等も多く接してきました。
彼らの多くからは話しているだけでも頭のよさが伝わってきますが、
そうした人たちも大半は単純な記憶は苦手のようです。

私自身は高卒で、しかもそれほど頭のいいほうではありませんでしたので、
もちろんその手の記憶、暗記は大の苦手です(^^;



これらの経験から個人的に感じることは、先天的な記憶力に関しては、
一部の特殊な人を覗いては大差ないということです。

むしろ、記憶に関するメカニズムを把握したうえで、楽しく楽に覚えられるように
工夫をすることで十分に補える程度の違いなのではないかと思います。


記憶力というのは先天的な個人差はあまりないので、
コツを覚えたり、上手く工夫して記憶することで挽回することができます。



子供と大人の記憶の違い


一般的に幼児や子供は記憶力がよく、大人になるにつれて記憶力が低下していくと言われます。

これは、ある程度は(特に単純な記憶に関しては)その通りだと思います。
小学生以下の子供が圧倒的に有利なのは、円周率のような、それ自体に意味のない
無機質な数字や記号の単純な暗記です。

例えば、私たち日本人の大人は平均して、大体2,000以上の漢字を暗記していますが、
これは小学生の時からコツコツ覚えたからできる芸当とも言えます。
日本語を学習している外国人から見たら、大人になってから
これだけの漢字を、用法や読み方も含めて覚えるのは非常に大変なようです。


ですが、大人が子供に比べて圧倒的に有利なことがあります。

それは

知識や経験に裏打ちされた論理力

です。


通常、大人は子供ほど単純な記憶を得意としませんが、
論理力や思考力は大人の方がはるかに勝っています。

したがって、大人が何かを記憶する場合には、単純にただ記憶していくよりも
論理的な裏付けや、エピソードなどと共に記憶したほうがはるかに覚えやすくなります。


このような理由から、ある程度以上の年齢になった大人であれば、
ただ単純に記憶していくよりも、思考や論理などと共に記憶したほうが
はるかに効率的だと考えています。



エビングハウスの忘却曲線


エビングハウスの忘却曲線は有名なので、ご存知の方も多いと思います。
これは人間の中期/長期における記憶の性質を示したものとなります。


英単語の暗記は、一夜漬けのテストとは違って、長期にわたって
記憶しておく必要のある性質のものですので、「覚える」ということとともに、
「忘れない」ということも念頭においておく必要があります。

特に英単語の暗記、というと上記の通り、どうしてもどこかの時点で
膨大な量の暗記が必要ですので、過去に覚えた単語、用法を忘れない、ということを
意識していないと、いつまでたっても覚えられない。。ということにもなりかねません。


ここで忘れない記憶方法、ということで参考になるのがこの「エビングハウスの忘却曲線」です。

エビングハウスの忘却曲線は、人間の記憶と、
それがどのように忘れられていくかを実験して明らかにしたものです。

詳細はWikipediaの忘却曲線のページや、その他にも「エビングハウスの忘却曲線」でググると
さまざまな情報がみつかりますが、その結論を簡単に言うと、

短期間に繰り返し覚えたことは忘れにくくなる

ということです。


つまり、短期間で何回も復習をすることで記憶に定着しやすくなる、ということです。

さらに短期間での復習で記憶に定着してきたら、
徐々に復習の間隔を延ばしても忘れなくなっていきます。


つまり、簡単にまとめると

・初めて出会う英単語、またはほとんど記憶にない英単語は短時間で繰り返し復習する。

・記憶に定着したら復習の間隔を延ばしていく。

こうすることで英単語を始め、さまざまな知識を記憶していくことができます。


なお、余談ですが、これは英語に限らずどんな暗記でも使える方法だと思いますので、
資格試験や受験などにも応用できるのではないかと思います。

私自身はこういう考えに至ったのは大人というか社会人になってからなので、
英語以外でこういった学習法を適応する場面があまりなかったのが残念ですが、、、


忘却曲線を踏まえた記憶のノウハウ


これは個人的な経験則なので、エビングハウス自体がそういっているわけではありませんが、
記憶において、1回の学習にかける時間は、記憶の度合いにあまり関係ないと思います。

つまり一つの単語を覚えるのに10秒でも5分でも大差はない、ということです。

むしろ、一つの単語を10秒覚えることを5回繰り返した方が、
延べ50秒ですが、記憶の定着具合は5分かけて
英単語を覚えた場合よりもよいのではないかと思います。


いずれにせよ短期間での復習は必須なので、5分かけて覚えても
後ほど見直さないとほぼ確実に忘れてしまう、というのが私の実感です。


また、これも経験則で恐縮なのですが、短時間で復習を適度にできる程度であれば、
覚える量にも限界はあまりないと思います。
集中力が持てば、1回の学習で10個の単語を覚えても
100個の単語を覚えても、記憶の定着度に差はない、ということです。

むしろ、10個の単語を覚えて100%覚えていても10個ですが、
100個の単語で50%忘れてしまっても、50個覚えていられる、ということになります。
(現実的には短期間の復習さえちゃんとやれば50個忘れることはないと思います)

つまり、まとめると

・短時間で復習を繰り返し、1つ1つの単語に触れる頻度を増やす

・適切な復習ができる量であれば、1回に覚える量は多ければ多いほどよい

ということになりますので、


短時間で多くの単語を素早く学習し、さらにそれをその場で繰り返して記憶に定着させる。


というのが私の推奨する英単語記憶法です。


現に、多くの英語学習本を読むと、この方法をとっている人は少なからずいるようです。

例えば1~300までの300個の英単語を覚えるのであれば、私の場合、以下のような順になります。
(私の場合は、完全に覚えた単語は翌々日以降、復習の頻度を減らす、など
 有効に時間を使えるように若干、工夫を加えています)

■1サイクル目
・1~300を1つ10秒で読む(出来れば例文も含めて読む)
・この段階では、覚えるように意識はするが、覚えなくてもさっさと次にいく
・計算上はここまでで50分かかることになります。

■2サイクル目
・1~300を1つ5秒で読む
・この段階では、覚えるように意識はするが、覚えなくてもさっさと次にいく
・2サイクル目が25分なので、1サイクル目とあわせて1時間15分かかります。

■3サイクル目
・1~300を1つ5秒でテストしながら読む
・覚えられていない単語は覚えることを意識する。
・全然覚えていない単語、完璧な単語にそれぞれマークする。
・ここも25分なので、初日は300単語に1時間40分かけたことになります。

■翌日
・1~300を1つ5~10秒でテスト→復習しながら読む
・全然覚えていないマークがついている単語は特に重点的に覚える
・完璧な単語はとりあえず確認程度にテストする。

■翌々日以降
・全然覚えていないマークがついている単語を中心に1つ5~10秒でテスト→復習
・完璧な単語はたまにテストするだけでよい
・全部の単語が完璧になるまで毎日、くりかえす

理想的には上記のようなやり方になりますが、
実際には社会人だと2時間弱の勉強時間を毎日確保できる方は
それほど多くはないだろうとは思いますので、電車などのスキマ時間を
有効活用しつつ、上記のように大量の単語を繰り返していく、
ということになると思います。

英単語以外にも勉強することはありますし、
英語にかなりの時間を使える方でないと、1日300単語は難しいと思うのですが、
上記のようなサイクルを念頭に置きつつ、短期間での学習を繰り返すのがポイントです。


先に述べたように大量の英単語の暗記は、英語をマスターするためには
避けては通れない道ですし、現実的には九九のように
無意識に使えるレベルにしておかないと使い物にならないので、
少しでも忘れないように効率よく学習していく必要があるかと思います。



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