地名、国名の定冠詞(the)、単数形/複数形、建物等

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英語の場合、原則として固有名詞には冠詞がつきませんが
例外的に定冠詞(the)のつくものがあります。

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定冠詞(the)の原則と例外


国名や地名について、どのような場合に定冠詞がつくか、
またはつかないかをまとめていきたいと思いますが、
実はかなり不規則であり、ある程度は一つひとつ
覚えていかないと行けないのが実際のところです。

例えば、同じ山でも「Mt. Fuji」(富士山)には定冠詞がつきませんが、
「the Matterhorn」(マッターホルン)には定冠詞がつきます。


上記のような山の名前の場合、ほとんどの山には定冠詞がつかないので
「マッターホルン」が例外になります。

このように、英語の定冠詞については
原則を踏まえつつも、例外も覚えていく必要があります。



定冠詞(the)の持つイメージ


原則や例外を覚える前に、まずは
定冠詞がネイティブにとってどのようなイメージを持っているか
知っておくのがよいのではないかと思います。

なぜなら、ネイティブが定冠詞について
どのようなイメージを持っているかがわかれば、
ネイティブにとって、どの地名がどのようなイメージを
持っているかがわかるからです。

それがわかれば記憶もしやすいですし、彼らの考えも理解しやすいでしょう。



で、その肝心の定冠詞のイメージですが、一言で言うと、
その他にないもの」であり、
その言葉には「あれでもなく、これでもなく、それ」という
ニュアンスを言外に含んでいます。



「the apple」といえば、そのりんごがどのりんごなのか明確であることを意味します。
その辺にあるりんご1つではなく、テーブルの上の「あの」りんご、
というように具体的にどのりんごかが明確な場合につかいます。

「an apple」と言えば、どのりんごかはよくわかりません。
単に「1個のりんご」というあいまいな概念をさします。


ですので、固有名詞の場合、その名前が示すようにそれぞれ1つしかないのですが、
特に英語圏の人々にとって「あれでもなく、これでもなく、それ」という
限定的なイメージの強いものに使われ、定冠詞自体が「それ」という
限定的な意味を含むところから、インパクトの強い固有名詞に使われます。


これを踏まえて、以下、固有名詞の定冠詞について見ていきたいと思います。



普通名詞を含む固有名詞には原則として定冠詞(the)がつく


全体として固有名詞となる語でも、普通名詞が
その中に含まれている場合、普通名詞が示す他のものと
区別するためにtheがつきます。


the U.S.A (=the United States of America、アメリカ)


アメリカの事ですが、アメリカは州(States)の集合体であり、
州(States)は普通名詞ですので、theがつきます。

定冠詞がつくのは、U.S.AではないStatesと区別し、
「これがアメリカの州のすべてだ」ということを明確にするためです。

なお、州の複数系(States)ですが、the United States of Americaは単数扱いです。


the United Kingdom(イギリス)


Kingdomは普通名詞なのでtheがつきます。

これも他にKingdomはたくさんありますが、
特にイギリスのKingdomを指していることを
明白にするために定冠詞をつけます。


the University of Cambridge(ケンブリッジ大学)


universityは普通名詞なのでtheがつきます。
他のuniversitiesと区別するためです。

ただし、「Cambridge University」という時には定冠詞がつきません。

この理由は正直、よくわかりませんが、Cambridge Universityという言葉が
普通の固有名詞なのに対して、the University of Cambridgeというと、
普通のuniversityという概念を of という言葉で
後から限定しているからだと思います。

次に挙げるthe Sea of Japan(日本海)と同じ理屈です。


the Sea of Japan(日本海)


日本海は the Sea of Japanと言います。

おそらく前述のthe University of Cambridgeと同じですが、
「the 普通名詞 of 地名など」の場合、theがつきます。
なぜなら普通名詞の一般的な概念をof以降の言葉で
限定しているからです。

「sea」⇒「海」
「どこの?」⇒「日本海の」

固有名詞というよりはofによって限定された
普通名詞なのでtheがつきます。



複数系の場合、定冠詞(the)がつく


固有名詞そのものが複数形の場合、定冠詞がつく傾向にあります。
(なぜなのかは正直、実は私も今まであまり納得のいく解説に出会ったことがないのですが、、、)

なお、国名が複数形でも、the U.S.A同様、
文法上は原則として単数扱いになりますので、注意が必要です。


The Philippines(フィリピン)


ヨーロッパ人でフィリピンに初めて上陸したのはマゼランですが、
その当時のスペイン皇帝の名前をとって、当時の人々は
フィリピン諸島を「フェリペⅡ世の島々」(las islas Filipinas)と名づけました。
英語に直すと「the Philippines' islands」です。

おそらくはこの「islands」の省略された形で
「The Philippines」と呼ばれるようになったのではないかと思います。



ちなみにフィリピンの正式名称はフィリピン共和国(the Republic of the Philippines)です。



the Netherlands(オランダ王国/オランダ)


「Netherland」は元々、オランダ語の普通名詞で「低地」の意味です。

オランダが元々、干潟を干拓して出来た土地で、
歴史的には地域主権の連合国家として成立しました。

つまり、複数の低地が集まってできた連合国家なので、
「Netherland」の複数形の「Netherlands」、
さらには単なる低地という普通名詞とは異なる事を
明確に示すために「the Netherlands」と呼ぶのではないかと思います。


なお、厳密には「オランダ」という言葉には
以下のような2通りの意味があります。

・4つの国の集合体である「オランダ王国」を指す場合
・オランダ王国の構成国の一つである「オランダ」を指す場合



前者の場合、正式名称は「the Kingdom of the Netherlands」ですが、
略称として「the Netherlands」という事もあります。

そして、「the Kingdom of the Netherlands」の国のうちの一つとしての
「オランダ」は「the Netherlands」と呼ばれます。



The kingdom of the Netherlands consists of four countries, one of which is the Netherlands.
オランダ王国は4つの国から成りますが、そのうちの一つはオランダです。





ただ、ヨーロッパ諸国の歴史など、オランダ周辺について
特に何かをしゃべるような場合を除けば、
一般的には「the Netherlands」という言葉でも
「オランダ王国」を指すようです。



山脈、砂漠など大地形には定冠詞(the)がつく


砂漠、山脈などには定冠詞がつきます。

・the Sahara Desert(サハラ砂漠)
・the Alps(アルプス山脈)
・the Himalayas(ヒマラヤ山脈)



世界的に有名なものには定冠詞(the)がつく


マイナーだと定冠詞がつきませんが、世界的にメジャーだと定冠詞がつくものもあります。
冒頭で例に挙げた the Matterhorn もその一つです。


有名な海、川、湾の名前


・the Pacific Ocean(太平洋)
・the Atlantic Ocean(大西洋)
・the Mediterranean(地中海)
・the Indian Ocean(インド洋)

・the Nile(ナイル川)
・the Amazon(アマゾン川)


有名な建物の名前


・the Ritz(ザ・リッツ・ホテル)
・the Strand(ザ・ストランド・ホテル)
・the Eiffel Tower(エッフェル塔)
・the British Museum(大英博物館)






英語の中でも、地名や国名については特に例外の多い事項であり、
我々、日本人にとっては覚えたり理解するのがなかなか大変です。


でも、地名の定冠詞の有無や歴史的な経緯を知ることによって、
ネイティブがこれらの地理や歴史について、
どのような考えを持っているかがわかってくるので、
そのような観点で学ぶようにすれば非常に面白いのではないかと思います。




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