仮定法を直感的に使いこなす(仮定法現在、仮定法過去、仮定法未来)

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仮定法といえば、非常に複雑な規則になっていて苦手な人が多い印象がありますが、
本質的なことを理解してしまえばほとんど直感的に使いこなせるようになりますので、
それほど難しくはありません。


If I had enough money, I would buy a new house.
もしお金が十分にあったら新しい家を買うんだが。(仮定法現在)

If I had had enough money at that time, I would have bought a new house.
もしあの時、お金が十分にあったなら、新しい家を買ったんだが。(仮定法過去)

If I were to go away, my family couldn't make ends meet.
もし私がどこかへ行ってしまったら、私の家族は暮らしていくことができないだろう。(仮定法未来)



以下は一時期、何かのCMでよく聞いたセリフです。
女子高生が学校で習った以下の英文を河原か何かで口にします。

I wish if I were a bird.
もし私が鳥だったらなぁ。



wishは多くの場合「望む」と訳されますが、
「実現しそうにないことに対して、こうだったらいいのに」という時に使われます。

私が鳥であることは現実にはありえないことなのでwishを使います。
(ここでhopeを使うと、私が鳥になることは普通にあり得ると思っていることになってしまいます)


基本的に仮定法はこのように「~だったらなぁ」というイメージです。

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仮定法の使いどころ


仮定法は動詞の時制を一つ、過去にずらします。
ただし、be動詞の普通の過去形に限っては常にwereになります。
(変な規則ですが、こればっかりはこういうものだと
 割り切って覚えてしまうしかないかと思います)


よく日本語でも、実現がありえないようなことに対して
「~だったらよかったのに」と言ったりします。

英語でも同じで、実現がありえないことは過去形にします。


ありえないこと=一歩引く、というイメージで過去形になるのが
何とも不思議な感じがしますが、日本語でも「~だったらよかったのに」のように
仮定法みたいな文章で過去形が使われるので、この辺りの間隔は
英語と日本語では意外と共通しているのかも知れません。




If I were you, I would tell him about that.
もし私があなただったら、彼にそのことを話します。




仮定法で一番、多いのがこの「If + 仮定法, 主語 would 動詞」というパターンではないかと思います。



この場合は、以下のように2つの文章が仮定法になっています。

・「私」は「あなた」ではないのでifの部分が仮定法になります。
・「I would」の部分も、if部分がありえないので同様にありえないことになります。
 したがって、「I will」の仮定法で、過去形になるので「I would」になります。
 (なぜwillなのかというと本人の意思によるものだからです)


これがたとえば、実現にありえることだったら、if文を使っていても過去形にはなりません。


以下は、前者が普通の文章で後者が仮定法です。

If it's raining there, we should give up the hiking today.
もしそっちで雨が降っているなら、ハイキングは中止にしたほうがいい。

If it didn't rain, we would go hiking.
もし雨でなければ、ハイキングにいけるのに。(雨が降っている場合に言う)




前者の文では、「そっち」で雨が降っているかどうかは
話し手にはわかっていませんがその可能性も
普通にありえるので、仮定法にはなりません。

対して、後者は実際に雨が降っている場合に
「もし雨が降っていなかったら」と
事実に反することを言っているので、仮定法が使われます。



このように現実ではないことや、その可能性が低いことに対しては仮定法が適応されます。



仮定法と動詞の時制


おそらく仮定法がややこしく感じられるのは、動詞の時制が一つ前に戻るからだと思います。


仮定法においては動詞の時制がひとつ過去になります。

・現在形⇒過去形
・過去形⇒過去完了形


過去完了形はもともと、ある過去の時点ですでに過去のことを示す言い方ですから、
過去のことに関しては、過去形から過去完了形になります。



また、助動詞の場合は、まず助動詞を過去形にし、
すでに助動詞が過去形の場合、「助動詞 + 完了形」でさらに過去にします。

・助動詞現在形⇒助動詞過去形
・助動詞過去形⇒助動詞過去形 + 完了形



このように規則としてはかなりややこしく見えるのですが、
要は仮定法では一歩引いてひとつ前の時制になるということです。

ですので、助動詞がない文章の場合は、現在形 ⇒ 過去形 ⇒ 過去完了形、と巻き戻り
助動詞がある文章の場合は、助動詞現在形 ⇒ 助動詞過去形 ⇒ 助動詞過去 + 完了形、と巻き戻ります。



とにかく一つ前に戻る、というところがポイントです。

あれこれ形式を覚える以前に

If I had a lot of money, I would buy a new house.
もしお金がたくさんあったら新しい家を買うんだが。(仮定法現在)

If I had had a lot of money at that time, I would have bought a new house.
もしあの時、お金がたくさんあったなら、新しい家を買ったんだが。(仮定法過去)



上記の文の場合、以下のようになっています。


 if部分本文部分
仮定法現在現在
⇒過去形(I had)
助動詞現在
⇒助動詞過去形(I would buy)
仮定法過去過去
⇒過去完了形(I had had)
助動詞過去
⇒助動詞過去完了形(I would have bought)



たとえば、実際にお金がある場合は、現在形であれば「I have」、過去形であれば「I had」です。
しかし、仮定法ですので、一つ巻き戻って、それぞれ「I had」「I had had」になります。

本文部分も、家を買うという意思が現実のものであれば、それぞれ「I will」「I would」となりますが、
現実ではないので、仮定法で「I would」「I would have」となります。


このように、動詞の時制には「現在形」「過去形」「過去完了形」という順番があって
その中で一つ前に戻る、という規則を覚えておくことが重要です。



仮定法未来


それでは、未来の出来事に対して仮定法を使うにはどのようにすればよいでしょうか。



まず、重要なことは英語の未来系は厳密には、客観的に未来を定義しているというよりは
現在、または過去のある時点から未来を見ているといった感じだということです。

ですので、未来形というのは、本来、未来を客観的に定義する方法というよりは、
助動詞や他の文法規則を使って、便宜的に未来を示す言い方、といってよいかと思います。




たとえば、未来を示す言い方としてよく使われる
will、be going to、現在進行形は以下のような形です。


・will, would⇒未来に対する意思、志向。
・be going to⇒未来へのある行動に向かっている。
・現在進行形⇒未来に何かしている様子を思い浮かべている


これらはいずれも、現在において、未来を思い浮かべたり、そこに向かったりしています。

なので、英語において未来形というものは本来、未来を客観的に示すものではなく、
意思を示すwill、概念的にそこへ行くことを示すgoing、
何かをしていることを示す現在進行形で間接的に未来を示すことになります。


これと同様に、仮定法においても、未来を示すのに特別な言い方はなく、
助動詞やwere toを使って、間接的に未来のことを示すことになります。


1.were to + 動詞の原型(実現の可能性が低い未来のこと)
2.should + 動詞の原型(万が一〜なら)



were to(一般的な仮定法未来)


If I were to win the lottery, I would buy an house.
もし宝くじがあたったら家を買うだろう。


仮定法未来としては一般的な形式です。

仮定法現在(過去形)を用いて、さらに未来に向かっていることを to という前置詞で表現します。


should(shallの過去形)


shouldというと、学校では「〜すべき」という助動詞として教わるかと思います。


多くの場合、確かにそのように使われますのでそれはそれで間違いありませんが、
もともとshouldはshallの過去形です。



shall は現在では主に「Shall I〜」とか「Shall we〜」とか、
何かを提案する時に使われますが、もともとは will の強意表現、
より正確に言うなら、willが人の意思を示すのに対して
shall は、天とか運命とか神様とか、人間ではない外部的な意思によって定められたものに使われます。


とはいえ、このような shall の用法はもうほとんど死語に近く、
会話ではほとんど使われずに、古い文章や文学的な読み物などで使われています。

I shall never die.
私は決して死ぬことはないだろう。




ですが、仮定法の場合はこの言い方もまだ残っています。



というか will という助動詞は「〜するつもり」という意思のイメージがあるため、
仮定法の「事実と反する」というイメージとはなじみません。

従って、仮定法未来では were to とともに、should が使われます。
(wouldを使って仮定法にすると「もし〜するつもりなら」という意味になりますが、
 shouldだともっと客観的に「もし万が一〜なら」という意味になります)


If I should die, forget me and get married with someone else.
もし私が死んだら、私のことは忘れて他の誰かと結婚しなさい。



were toよりも可能性の低い場合、あらかじめ予測できないようなことに使われますが、
実際のところはwere toのほうが多く使われている気がします。


If it weren't for A, + 仮定法


仮定法の言い回しでよく使われるのがこの用法。
以下の言い回しで「もしAがなかったら」という意味になります。


現在If it weren't for A, 仮定法現在もしAがなかったら〜だろう
過去If it hadn't been for A, 仮定法過去もしAがなかったら〜だっただろう



If it weren't for my family, I couldn't go on.
もし家族がいなかったらやっていけないだろう。(仮定法現在)

If it hadn't been for your help, we would never have succeeded.
もしあなたの助けがなかったら、私たちは成功しなかっただろう。(仮定法過去)



ちなみにこの省略形で But for とか without も使えます。

But for my family, I couldn't go on.
もし家族がいなかったらやっていけないだろう。(仮定法現在)

But for your help, we would never have succeeded.
もしあなたの助けがなかったら、私たちは成功しなかっただろう。(仮定法過去)




仮定法まとめ


仮定法のまとめです。


・現実ではないことや、その可能性が低いことに対して

・仮定法においては動詞の時制がひとつ過去になります。
 ・現在形 ⇒ 過去形 ⇒ 過去完了形
 ・助動詞現在形 ⇒ 助動詞過去形 ⇒ 助動詞過去+完了形
 
 ・現在形⇒過去形
 ・過去形⇒過去完了形
 ・助動詞現在形⇒助動詞過去形
 ・助動詞過去形⇒助動詞過去形 + 完了形

・仮定法未来は以下の2通り。
 ・were to do
 ・should do

・仮定法を使った表現として「Aがなかったら〜だろう」という表現をする場合
 ・If it weren't for A, 仮定法現在(Aがなかったら〜だろう)
 ・If it hadn't been for A, 仮定法過去(Aがなかったら〜だっただろう)


仮定法についての主な例文をまとめておきます。

If I had enough money, I would buy a new house.
もしお金が十分にあったら新しい家を買うんだが。(仮定法現在)

If I had had enough money at that time, I would have bought a new house.
もしあの時、お金が十分にあったなら、新しい家を買ったんだが。(仮定法過去)

If I were to go away, my family couldn't make ends meet.
もし私がどこかへ行ってしまったら、私の家族は暮らしていくことができないだろう。(仮定法未来)

I wish if I were a bird.
もし私が鳥だったらなぁ。(wish + 仮定法)

If it's raining there, we should give up the hiking today.
もしそっちで雨が降っているなら、ハイキングは中止にしたほうがいい。(普通のif)

If it didn't rain, we would go hiking.
もし雨でなければ、ハイキングにいけるのに。(仮定法)

If I were to win the lottery, I would buy an house.
もし宝くじがあたったら家を買うだろう。(仮定法未来)

If I should die, forget me and get married with someone else.
もし私が死んだら、私のことは忘れて他の誰かと結婚しなさい。(仮定法未来)

If it weren't for my family, I couldn't go on.
もし家族がいなかったらやっていけないだろう。(仮定法現在)

If it hadn't been for your help, we would never have succeeded.
もしあなたの助けがなかったら、私たちは成功しなかっただろう。(仮定法過去)




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